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一期一会にまつわる話 [雑記]

ドラマJIN、見てますか?
昨日の最終章前編で、坂本龍馬を前にして仁先生が
語っていた言葉が印象的でした。

タイムスリップして江戸時代にやってきて、仁先生が
未来の世界と江戸時代とを比べて、こう言ってました。
未来では、携帯電話で一瞬にして、どこでもメールが
届くが、江戸時代では手紙を出しても、それが無事に
着いたかどうかも分からない。でも、だからこそ、
人と人との出会いを大切にしている。
まさに一期一会だと。

今日は、そんな一期一会にまつわる話です。

先日、昔一緒に働いていた、ある男性と会いました。
さかのぼること、9年前。
僕が今の会社に転職して一年経った頃に、その人も
転職してきました。当時56歳だったその人は、とても
目立っていました。というのも、僕が働いている会社
自体が若いということもあって、社員の平均年齢が35歳
くらいだったのですよね。

課長や部長よりも年配だったし、話を聞いてみると、
部長のかつての上司だった、とかなんとか。

その人はプロデューサとして、あるWEBサービスを企画して、
それを立ち上げるために転職してきたということでした。
僕はあの頃、WEBサービスを構築するディレクターをやって
いて、その立ち上げに尽力することになったわけです。

その人は、自分の親と同じくらいの年齢で、技術的な
ことはよく分からないが、こういうことがやりたいんだ
という情熱を持った人でした。

その人が立ち上げたWEBサービスは、残念ながらよい成果を
出せずに約一年でクローズし、その人も会社を去ることに
なりました。

あれから8年が経過した今、その人から
「近々お会いしませんか?」
と連絡がありました。

あまりの懐かしさと嬉しさに、二つ返事で会うことに
なったわけです。

久しぶりにお会いした印象は、一回り小さくなって
しまっているような気がしました。
「あまり速く歩けないもので、申し訳ない」
というので、話を聞くと、胃がんの手術をして、しばらく
入院していたとのことでした。

その人がひいきにしているという飲み屋にて、久々の
再会に乾杯をしました。

そこで、僕の父親が二年前に他界した話をしました。

実は、この人のおかげで、父と一度だけ仕事で会った
ことがありました。当時、僕の父は出版社に勤めていました。
その人がWEBサービスを立ち上げた時に、そのプロモー
ションに協力してもらえないだろうか?と相談を持ち
かけられたことがあったのです。

あの頃は、出版社はインターネットを目の敵にしていた
ところもあったので、父と一緒に仕事をする機会なんて、
無いだろうなと思っていたので、嬉しかったですね。

父の会社でその人と一緒にサービスの説明をしました。
結果的には、プロモーションには結びつきませんでしたが、
親と子としてではなく、社会人として対等な立場で父と
会話ができたことは、いい思い出です。


「お父さん、いくつで逝っちゃったの?」
というので
「67歳でした」
と答えると、
「僕が今67歳なんだよ。そう言えば、僕の親父も67歳で
 亡くなったんだった。67歳には何かあるのかもしれないな」
と言われました。

そっかぁ。
単なる偶然なのかもしれませんが、奇妙な縁を感じます。


その人は、自分の父親によく似ていました。
博識で、ユーモアがあって、どこか子供のように無邪気で。
たくさんタバコを吸って、たくさんお酒を飲んで。

それから、その人の昔話(武勇伝)を、延々と聞いていました。
その人は、自分がやりたいと思ったことは、とことんやる
という信念を持っているそうです。また、とにかく自分が
やりたいことだけをやってきたとも言ってました。

だから、これで死んでしまったとしても、仕方ないか
とも思っていると。でも、まだまだやりたいことは
あるらしいです。

でも、今回声をかけたのは、自分が元気なうちに、お世話に
なった人と会っておこうと思ったからなんだそうです。
人生の節目節目には、必ずその時代を象徴するキーマンが
いて、インターネットの会社に転職した時には、僕がその
一人だったというのです。

その話を聞いて、もしかしたら、その人に会うのは、
今日が最後なのではないだろうか、と寂しい気持ちになって
しまいました。何か分からないけれど、そういう覚悟みたいな
ものを、その人から感じられたんですよね。
自分の死期を悟っているような、そんな感じ。


実は年始に掲げた僕の今年の抱負は「人に会う」こと
だったんですよね。

そういう目標を掲げたことがよかったのか、今年に入って
からは、これまで連絡を取り合っていなかった人から突然
連絡があったりして、会う機会も増えました。

なんか、それこそ自分の人生が残りわずかだと思って、
これまでお世話になった人に会っているかのような錯覚を
起こしそうなくらい、奇妙な再会が多いんですよね。

だから、今回、その人から連絡があった時も、何か引き寄せ
られるようなものを感じたのです。
もしかしたら、あの震災があって、みんなの深層心理に
働きかけている安否確認のようなものがあるのかもしれま
せんね。


その人との別れ際に、僕が今39歳だと言うと、とても
うらやましいと言われました。
これからなんだって出来るじゃないかと。
あなたには、ぜひ、一花咲かせて欲しい、とも言われました。

「またお会いしましょう」

そう言って、その人の後姿が渋谷の人混みに紛れて
小さくなって見えなくなるまで、見送りました。


「またお会いしましょう、必ず。」

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コメント 4

okusama

さすが!!ツボは同じだね。

JINを見る前から「一期一会」を思っていた自分は、「すごいタイムリー」と思ったけれど、震災後、きっと誰もが「一期一会」を感じていきているのでしょうね。

私も今年は人とのつながりを今まで以上に感じ、
そして・・・

ここからが「私達がいろいろなものを築く時」だと思っています。

人を大切に、信念を大切に、そして社会の人のためになることをしっかりやって行きたいね。

お互いがんばりましょう!!
by okusama (2011-06-21 00:25) 

サナギン

●okusamaさん

>さすが!!ツボは同じだね。

さすが!(笑)

>JINを見る前から「一期一会」を思っていた自分は、
>「すごいタイムリー」と思ったけれど、震災後、
>きっと誰もが「一期一会」を感じていきているので
>しょうね。

多分そうだよね。
身近にいる家族、友達。
こんなにも人と人との絆を意識した年はないんじゃ
ないかしら。

>私も今年は人とのつながりを今まで以上に感じ、
>そして・・・
>ここからが「私達がいろいろなものを築く時」だと
>思っています。

ある意味、ここからがスタートだよね。
これまでの出会いも別れも、もちろん大切にしながら。
新しい出会いと、新しい別れを迎えなくてはならないと
思っています。

>人を大切に、信念を大切に、そして社会の人のために
>なることをしっかりやって行きたいね。

重いなぁ(笑)

>お互いがんばりましょう!!

はーい(^^)
by サナギン (2011-06-21 19:23) 

ふー

そういうときあるよね。

昨日突然メールがぽこっときたら、「今から飛行機に乗る。LA時間到着は夜10時」という高校時代の友人から。彼女はいまアトランタ居住でLAでのクライアントとの会議が勃発して飛んできたのでいっしょに夜食をしたよ。

そのまえの日にはもう何年もあってない大学時代の友人がSFにいくのに来週LA経由にするから食事でもしないかというので、もちろん2つ返事でOK.

今年は不惑。友人は財産だと思ってるので、こういうときは迷わずですね。

なにするのも人だからね。チャンスは逃さずです。


by ふー (2011-06-23 08:31) 

サナギン

●ふーさん

こんにちは(^^)

>そういうときあるよね。

ありますよねー!

ふーさんのお友達も突然ですね(笑)
でも、気が置けない友達だからこそ、なんですよね。
そういう関係は、過去に過ごした濃密な宝物のような
時間があるからできることなんですよね!

>今年は不惑。友人は財産だと思ってるので、
>こういうときは迷わずですね。

そうですね。
僕も今月・来月と友人との会合が立て続けにあります。
迷わずに参加します(^^)

>なにするのも人だからね。チャンスは逃さずです。

ですね。
人と人とのつながりから生まれることが歳を重ねる
ごとに増えていくなぁと感じる今日この頃です。
by サナギン (2011-06-24 13:35) 

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